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フィンランドの国立研究機関・VTTがJUIDAを訪問

JUIDA INFO

2025年10月7日(火)、JUIDA(一般社団法人日本UAS産業振興協議会)本部に、長年のパートナーであるフィンランドのVTT技術研究センター(VTT Technical Research Centre of Finland Ltd.)より国際連携および事業開発をリードされているお二人が公式に来訪されました。JUIDAからは千田副理事長、熊田事務局長たちがお迎えし、終始有意義な意見交換が行われました。
 

JUIDAとVTT:国境を越えた連携の歩み

JUIDAとVTTは、2020年にMOU(包括的連携協定)を締結して以来、日欧間におけるドローン・空のモビリティ分野の連携を深めてきました。両者の関係は形式的な枠組みにとどまらず、国際共同研究プロジェクトへの参画や、双方向のアドバイザリー活動など、実質的かつ戦略的な協働関係に発展しています。

特に注目すべきは、欧州連合(EU)主導で進められた「AiRMOUR(エアムール)プロジェクト」への協力です。これは、ドローンを活用した緊急医療搬送など、都市における空のモビリティ(UAM: Urban Air Mobility)の社会実装を目指すもので、JUIDAは国際アドバイザリーボードの一員として参画。VTTは同プロジェクトのコーディネーターを務め、現場レベルでの実証実験や欧州のU-space(無人航空機のための航空交通管理システム)整備において中心的な役割を果たしました。
 

VTTとは:欧州を代表する応用研究機関

VTTは、フィンランド政府が100%出資する国営の応用研究機関であり、約2400名の研究員を擁する欧州最大級の技術研究組織の一つです。設立から80年以上にわたり、エネルギー、モビリティ、バイオテクノロジー、量子コンピューティングなど、さまざまな先端分野で世界をリードしています。

VTTの強みは「研究の社会実装力」にあります。年間約50のスピンオフ企業を創出するスタートアップ支援機能を有し、実用化を見据えた応用研究を強力に推進しています。また、民間企業や大学との連携に加え、EUなど超国家的機関との共同研究も活発であり、政策提言や標準化への影響力も大きい存在です。


 

今回の来訪の意義

今回のVTT研究員の来訪では、JUIDAとVTTのこれまでの連携の歩みを再確認しつつ、今後の協力の可能性についても前向きな議論が交わされました。日本とフィンランド、それぞれの国におけるドローン産業の現状や課題、スタートアップ支援の枠組み、社会実装のための規制・制度設計など、多角的な視点から情報を共有し、共通の方向性を見出す機会となりました。

JUIDAとVTTは、これからも引き続き協力し、ドローン産業の発展と、国際的な法規制の調和(ハーモナイゼーション)に貢献してまいります。

 
■本件に関するお問合せ
JUIDA国際チーム:ohzora@uas-japan.org