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【ブータンの未来を空から描く】本邦研修実施 ― 未来を担う行政官たちが日本で学んだ2週間

JUIDA INFO

ヒマラヤの険しい山岳地帯を抱えるブータンでは、物流、測量、災害対応など様々な分野でドローン活用への期待が高まっています。

JICA技術協力プロジェクト「ブータン国ドローン利活用環境整備プロジェクト」では、今後予定されている制度整備や実証活動に向けた重要なステップとして、ブータン政府関係機関のカウンターパートを対象とした本邦研修を実施しました。

来日したのは、インフラ運輸省(MoIT)やブータン民間航空局(BCAA)をはじめとする関係機関の担当者の皆さんです。約2週間にわたり、日本のドローン産業や制度、運用、安全管理、社会実装の現場を視察し、自国における持続可能なドローン利活用環境の構築に向けた知見を学びました。

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Japan Droneで見た、日本のドローン産業の現在地

今回の本邦研修における最大のハイライトの一つとなったのが、日本最大級のドローン展示会「Japan Drone」への参加です。

会場には、物流、インフラ点検、防災、測量、農業など、多様な分野で活用される最新のドローン技術やサービスが集結していました。参加者は、機体やソリューションだけでなく、それらを支える運航管理システム(UTM)、Remote ID、人材育成、安全運航、制度整備など、日本のドローン産業を構成する幅広い要素について理解を深めました。

前日までの講義を経て臨んだ展示会は、無数のドローンが展開する圧倒的な光景も含め、研修員にとって大きなカルチャーギャップであったようです。視察中には「政府の制度の上で民間がどう動いているか、日本の産業の仕組みがようやく分かりかけてきた」という声も聞かれ、この体験が彼らにとって前向きな刺激となった様子がうかがえました。無数の技術に直接触れたことで、参加者それぞれが自国の課題解決や、将来目指すべき体制の青写真を具体的に思い描く貴重なきっかけとなったと考えられます。 

また会期中には、ブータンをテーマとした特別セッションも実施されました。JICA、ブータン政府関係者、本プロジェクトを実施するJV関係者が一堂に会し、ブータンにおけるドローン活用の可能性や今後の展望について議論を行いました。

JUIDAは展示会主催者として、ブータンの参加者が日本のドローン産業全体を俯瞰できるよう各種プログラムの調整を行うとともに、多様な関係者との交流機会の創出を支援しました。

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制度を支える仕組みを学ぶ

本邦研修では、国土交通省、経済産業省、総務省、農林水産省など、日本のドローン政策や制度整備を担う関係省庁も訪問しました。

参加者は、ドローンの安全な運航を支える規制や運用制度、産業振興施策、電波利用の考え方、農業分野における活用事例などについて説明を受け、日本がどのような過程を経て現在の制度や運用環境を構築してきたのかを学びました。

制度整備は本プロジェクトの重要な柱の一つです。講義後には活発な意見交換も行われ、ブータンにおいてどのような制度や仕組みが必要となるのかについて理解を深める機会となりました。

「安全な社会実装」の現場へ

研修では、福島ロボットテストフィールド(RTF)も訪問しました。

RTFは、ドローンやロボットの研究開発から実証、評価までを行う世界有数の拠点です。参加者は、長距離飛行試験設備や各種実証環境を見学し、技術開発だけでなく、社会実装に至るまでの検証プロセスや安全確保の考え方について理解を深めました。

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さらに大分県では、防災、物流、人材育成などの分野で進められている先進的な取り組みを視察しました。山間部や離島を抱える地域が、どのようにドローンを活用して課題解決を進めているのかを学ぶことで、ブータンへの応用可能性について考察を深めました。

行政、地域社会、事業者が連携しながら社会実装を進める姿は、参加者にとって大きな示唆となりました。

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日本という社会そのものから学ぶ

今回来日した参加者の多くにとって、日本は初めて訪れる国でした。

研修では制度や技術を学ぶだけでなく、日本の社会や文化に直接触れる機会にも恵まれました。

福島へ向かう移動中には、太平洋を初めて目にした参加者もおり、その雄大な景色に感動する様子が見られました。また、新幹線の高速性と快適性、正確な公共交通網、多くの人々が行き交う都市の活気、歴史ある寺院や地域文化など、日本の日常そのものが参加者にとって新鮮な経験となりました。

こうした体験は、日本の技術や制度を支える社会基盤や文化への理解にもつながります。参加者同士の会話の中でも、「なぜ日本ではこうした仕組みが実現できているのか」という視点で議論が交わされていました。

本邦研修は、ドローンに関する知識だけでなく、日本とブータンの相互理解を深める貴重な機会にもなりました。

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ブータンの未来につながる学び

今回の本邦研修は、単なる視察や情報収集の機会ではありません。

参加者は、各講義や視察を通じて得られた知見をもとに、ブータンにおける制度整備、人材育成、利活用促進の方向性について議論を重ね、今後の取り組みにつながるアクションプランの検討にも取り組みました。特に、日本の制度や仕組みをそのまま導入するのではなく、ブータンの社会環境や地理的条件に適した制度・運用のありを自ら考え、構築していくことの重要性について理解を深める機会となりました。

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次のフェーズへ

今回の本邦研修の実施にあたっては、JICAの支援のもと、本プロジェクトを実施するJV(エアロトヨタ株式会社、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)、株式会社地球システム科学)が、ブータン政府関係機関との継続的な協議を重ねながら、数か月にわたり研修内容の設計や訪問先との調整を進めてきました。

その結果、参加者は日本の制度、技術、運用、社会実装の取り組みを体系的に学び、それぞれの組織に持ち帰るべき多くの知見を得ることができました。

本プロジェクトは、本邦研修を一つの到達点とするものではありません。今後はブータン国内において、制度整備の具体化や能力強化活動に加え、実証活動(PoC)も予定されています。

今回の研修で築かれた信頼関係と学びは、これから始まる現地での活動の土台となります。本邦研修で得られた知見が、今後の制度整備や実証活動の中で具体的な成果として結実し、日本とブータンの関係者が共に新たな価値を創出していくことが期待されています。

JUIDAを含むJV各者は、引き続きブータン政府関係機関と協働しながら、本邦研修で得られた学びと現地での実践を結び付け、制度整備と社会実装の両面からプロジェクトを推進してまいります。

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プロジェクト概要

  • 業務名称:ブータン国ドローン利活用環境整備プロジェクト
  • 履行期間:2025年10月10日 ~ 2028年2月15日
  • 実施体制:エアロトヨタ株式会社(代表幹事)、一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)、株式会社地球システム科学によるJV

■本件に関するお問合せ
JUIDA国際チーム:ohzora@uas-japan.org