JUIDA、『ドローン防災スペシャリスト教育講座』を新設 – 災害時の運用調整力と統括スキルを育成–
報道関係各位
2025年1月17日一般社団法人日本UAS産業振興協議会【JUIDA】
本日2025年1月17日、阪神・淡路大震災から30年を迎えました。
1995年に発生したこの大震災では、多くの尊い命が失われ、日常が一瞬で崩れ去る現実を私たちに突きつけました。被災地では建物の倒壊や火災が広がり、都市部における災害対策の重要性や、救助・復旧活動の課題を早急に解決する必要性が浮き彫りとなりました。同時に、地域コミュニティの絆や、人々の支え合いの力も示され、災害に強い社会を改めて目指す出発点となった日でもあります。
この30年の間に、日本に住む私たちは大震災から得た教訓を元に、防災技術や対策を進化させてきました。
一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA)は、この節目の日に、さらなる災害時対応力・防災力の向上を目指し、新たな教育講座を紹介いたします。
JUIDA理事長の鈴木真二監修の元、災害現場でのドローン活用を効果的に支援するため、新しい教育「ドローン防災スペシャリスト教育講座」を開始いたしました。
本講座は、ドローン操縦資格の有無にかかわらず、災害現場で調整や統括を担う方々に必要な知識とスキルを提供いたします。自治体職員、防災関係者、災害支援に携わる地域住民の皆様等に、広く対応した内容となっております。
講座新設の背景と目的
~災害現場での多様な役割を支援する教育~
2024年、能登半島地震や能登豪雨水害といった大規模災害では、JUIDAとJUIDAが呼びかけた多くのドローン事業者の皆様が現地で支援活動を行いました。
能登半島地震の際は、自治体や自衛隊等と連携し、ドローンを用いた大規模かつ組織的な活動が初めて展開されました。しかし、これらの活動を通じて、災害時にドローンを効果的に活用するためには、以下のような課題が浮き彫りになりました。
1.現場での適切な役割分担と運用調整の必要性
ドローンを活用するには、操縦者だけでなく、関係機関や自治体との運用調整を担う専門的な役割が重要であることが明らかになりました。
この調整役は、災害現場の状況を把握し、機体や操縦者の選定、飛行ルートの計画などを取りまとめます。
2.災害時の法令知識の不足
災害時には「災害対策基本法」や「航空法」といった法令に基づく適切な対応が求められます。
しかし、これらの法令について十分な理解を持たない場合、支援活動を効率よく進められない状況が発生することがあります。
3.多くの機関や団体、それらのメンバーとの連携に必要なスキルの不足
自治体や防災関係者、ドローン事業者間のコミュニケーション不足が、現場での混乱を招く要因となる場合があります。
特に、災害時のニーズに即した機体選定や飛行計画の策定には、これらの関係者をつなぐ調整役が欠かせません。
これらの課題を踏まえ、JUIDAは「ドローン防災スペシャリスト教育」を立ち上げました。
本講座は、ドローンの運用調整や、現場でのドローンを用いた災害支援活動の統括スキル、関係法令の知識等について、幅広く学べる内容を提供いたします。
災害支援において、ドローンは被害状況の把握や支援物資の輸送、防犯領域での使用など、活用の幅が増々広がってきております。
本講座は、災害現場におけるドローン活用体制をさらに強化し、防災力向上に貢献することを目的としております。
本講座の特徴
~ドローン操縦者以外も対象~
本講座は、ドローンを実際に操縦しない方でも受講が可能です。
今後、災害現場で調整や統括の役割を担う方々を対象に、ドローンの活用を支援するための知識とスキルを提供いたします。
自治体や関係機関内外での調整役として活躍できる人材を育成し、全国的な災害支援体制の構築に貢献したいと、JUIDAは考えております。
★講座受講対象となる方の具体例★
本講座は、ドローン操縦技術に特化するのではなく、災害現場でのドローンを用いた災害支援活動における役割分担や、調整業務を担うために必要な知識やスキルを重点的に取り上げておりますので、地域でのドローンを用いた防災活動に積極的に参加されたい住民の皆様にも適した内容となっております。
〇自治体職員や防災関係者
- 災害時に航空運用調整を行う可能性のある方
- ドローン活用の運用調整を担当するポジションの方
〇自衛隊、警察、消防、海上保安庁、DMATの職員
- 災害現場での調整業務を担い、ドローンを活用した支援活動に関心のある方
〇自主防災組織や消防団員
- 災害時にドローンを活用した支援活動を考える地域住民の方
- ドローン操縦資格を持たないが、災害対応に積極的に関与したい方
〇ドローン事業者や操縦者
- 自治体や防災関係者と連携し、災害時に支援活動を行いたい方
〇その他、防災や災害支援活動に関心を持つ方
- 災害時のドローン運用の仕組みや法令知識を学びたい方
受講で得られる知識やスキルはどんな事?
本講座を修了することで、以下のようなスキルや知識が身につくことが考えられます。
災害時におけるドローン運用調整スキル
- 災害現場でのドローンの効果的な運用計画の立案
- 必要な機体や操縦者の選定、適切な役割分担の設定
連携における調整力
- 自治体、自衛隊、警察、消防、海上保安庁など、関係機関との連携を円滑に進めるためのポイントについて
- 災害時の各機関の役割や業務内容を理解し、調整役として活躍するためのスキル
- 複数の関係者と共通の目標を持ち、効果的に協働できるマネジメント力
災害時に適用される法令の知識とその活用方法
- 「災害対策基本法」や「航空法」など、ドローン運用に関わる法令の理解
- 緊急時に必要な手続きや、法令を遵守しつつ柔軟に対応するための知識
- 法令に基づいた正確な意思決定と調整ができるスキル
災害発生前の準備と事前計画策定能力
- 災害発生前に行うべきドローン運用体制の構築スキル
- 必要な機材等の事前準備、防災訓練プログラムの計画と実施のための知識
- 災害発生時に即応できる体制の構築と維持に必要な知識
災害現場での意思決定能力
- 被災地の状況を把握し、ドローンの最適な活用方法を判断するスキル
- 支援ニーズに基づいたドローン運用を調整するスキル
現場でのリーダーシップと統括スキル
- 災害現場で調整役・統括役として、関係者をリードするために必要なスキル
- チーム全体の活動を効果的に監督し、作業の効率化を図るスキル
- 各団体との協力体制を構築し、関係者間の円滑なコミュニケーションを促進するための知識
災害支援活動における安全管理能力
- ドローン運用時の安全対策の知識と実践スキル
- 現場作業中の事故やトラブルを未然に防ぐためのリスク管理能力
受講後に期待される人物像
本講座の修了生は、ドローンを活用した災害支援活動において、現場の重要な役割を担える人材としての活躍が期待されます。
- 災害現場での調整役・統括役として活躍できる人材
- 災害支援活動における専門知識と実践力を兼ね備えた人材
- ドローン活用の推進役となる人材
- 迅速かつ柔軟に対応できる危機管理能力を持つ人材
- チームのリーダーとして行動できる人材
- 地域防災のキーパーソンとして活躍する人材
- ドローン技術を活かした新たな支援の形を提案できる人材
本講座を修了した受講生は、災害現場での実務的な対応から、平時における防災体制の構築や訓練まで、多方面で価値を発揮することが期待されます。
~ドローン防災スペシャリスト教育講座概要~
■受講形式
座学(eラーニング対応)
■受講期間
約3~4時間(目安)
■受講料金と修了証
- JUIDA個人会員 : 38,500円 (税込)
- JUIDA非会員 : 44,000円 (税込)
※受講修了後、JUIDAから修了証が発行されます。(有効期間:3年間) 有効期間中は、eラーニング教材を何度でも復習可能です。
■当教育講座に関するお問い合わせ先
MAIL:juida-bosai@uas-japan.org