国際標準化活動
日本の技術と知見を国際標準へ
JUIDAは、日本のドローン産業の持続的な発展とグローバル展開のため、国際ルール形成の場で積極的に活動しています。経済産業省国際標準課および日本規格協会の支援を得て、国際標準化機構(ISO)の無人航空機分野技術委員会「ISO/TC 20/SC 16」に参画し、2024年から国内委員会事務局の運営を担っています。
2025年11月、東京でISO/TC 20/SC 16ーSC 17の合同総会が開催されます。
- 名称:ISO/TC 20/SC 16およびSC17 総会
- 期間:2025年11月17日(月)~21日(金)
- 場所:国立研究開発法人産業技術総合研究所 臨海副都心センター
- 主催:一般社団法人日本UAS産業振興協議会(JUIDA) / ブルーイノベーション株式会社(BI)
- 共催:一般社団法人日本航空宇宙工業会(SJAC) / 一般社団法人日本産業用無人航空機工業会(JUAV) / 一般財団法人総合研究奨励会日本無人機運行管理コンソーシアム(JUTM)
JUIDAは ISO/TC 20/SC 16で活動しています。

■ISOとは
ISO(International Organization for Standardization、国際標準化機構)は、世界中の産業や技術について共通の基準(国際規格)を作るための組織です。国際的に統一されたルールや規格を定めることで、国ごとの違いをなくし、産業の発展や安全性、取引の円滑化を支えています。
■航空宇宙分野委員会:TC20
その中で、TC20(Technical Committee 20)は「航空宇宙分野」を担当しており、航空機、宇宙船、無人航空機(ドローン)などに関する国際規格を議論・策定しています。
■無人航空機分科委員会:SC16
TC20の下にある、SC16(SubCommittee 16: Unmanned Aircraft Systems)は、無人航空機(ドローン)を専門に扱う委員会です。ここでは、運用手順、安全対策、教育訓練、シミュレーションなど、ドローンの国際的なルールを作っています。
■作業組織:WG / JWG / AG
- WG(Working Group):特定のテーマごとに国際規格を作るための作業部会
- JWG(Joint Working Group):複数の委員会が合同で設ける作業部会
- AG(Adhoc Group):臨時的に設置される作業グループ
こうした場で、各国の専門家が数年単位で議論・調整を行い、国際規格が発行されます。

現在のSC 16には、参加メンバー26か国とオブザーバー10か国が参画しています。
会議体は、Working Group (WG)が8、 Advisory Group (AG)が2、Joint Working Group (JWG)1で構成されています。
■ISO/TC 20/SC 16 ヒストリー
時期 | 詳細 |
---|---|
2013年 | ロシアが無人航空機のSC設置を提案 |
2014年 | ISO/TC 20 /SC16 設立 |
2015年 | 第1回総会、以降年2回総会開催 |
2016年 6月 | 第3回 中国(北京)より ※JUIDA参加 |
2018年 11月 | 第7回 日本(東京) ※JUIDAは、リーダーズディナーとエキスパートレセプションを主催 |
2024年 6月 | 国内委員会事務局がNRIからJUIDAへ |
2024年 6/17~21 | 第17回総会 米国(アーリントン) |
2024年 11/19~22 | 第18回総会 中国(珠海) |
2025年 6/10~6/13 | 第19回総会 ドイツ(ベルリン) |
2025年 11/17~11/21 | 第20回総会 日本(東京)開催予定 |
■ISO会議への参加
日本の意見を国際会議で発信し、規格づくりを主導し、年2回の総会に参加しています。



JUIDAは国内委員会事務局を担当しています。
■JUIDAの役割
ISO/TC20/SC16(無人航空機システム分科委員会)は、2013年にロシアから提案があり、2014年に設立されました。ちょうどJUIDAと同じ年です。当時日本で唯一の無人航空機業界団体であったJUIDAに、航空宇宙工業会(SJAC)から国内審議団体としての参画要請がありました。JUIDAは創立以来「ドローンの安全確保こそが産業の持続的発展につながる」という信念のもと、国土交通省、経済産業省、総務省も参画する民間主導の安全委員会を主催し、後に改正航空法に取り込まれるドローンの安全ガイドラインを自主策定していました。また、認定スクール制度による人材育成・運用体制整備など、実務と理念の両面で積極的に取り組んできました。この経験と実績は、ISOの掲げる「信頼性・普及性・共通性」と高く整合し、SC16での議論に価値ある貢献ができると期待されています。
■国内委員会事務局
国内委員会は、日本の産業界・研究機関・政府機関・業界団体等から参画いただき、年間3~4回開催しています。国内審議団体4団体で、各WGを分担し、案件の協議や取りまとめをしています。JUIDAは、国内委員会の運営事務局および幹事連絡会の幹事連絡会の事務局も担当しています。

■運営委員会スケジュール
2024年度 | 詳細 |
---|---|
6月13日(木) | 第1回 無人航空機国際標準化 国内委員会 |
6月17日(月)~21日(金) | ISO/TC 20/SC 16 アーリントン総会(米国) |
8月5日(月) | 第1回 無人航空機国際標準化 政府関係者説明会 |
9月17日(火) | 第2回 無人航空機国際標準化 国内委員会 |
9月26日(木) | 第1回 ISO 23665 無人航空機教育規格作成国内委員会 |
10月10日(木) | 第1回 無人航空機シミュレーター教育規格作成委員会 |
10月21日(月) | 第2回 無人航空機国際標準化 政府関係者説明会 |
11月11日(月) | 第3回 無人航空機国際標準化 国内委員会 |
11月18日(月)~22日(金) | ISO/TC 20/SC 16 珠海総会(中国) |
12月23日(月) | 第3回 無人航空機国際標準化 政府関係者説明会 |
1月14日(火) | 第4回 無人航空機国際標準化 国内委員会 |
1月20日(月) | 第2回 ISO 23665 無人航空機教育規格作成国内委員会 |
1月31日(金) | 第2回 無人航空機シミュレーター教育規格作成委員会 |
2月17日(月) | ISO/TC20/SC16/WG3 対応国内審議委員会 |
2025年度 | 詳細 |
---|---|
6月10日(火)~13日(金) | ISO/TC 20/SC 16 ベルリン総会(ドイツ) |
7月8日(火) | 第1回 無人航空機国際標準化 政府関係者説明会 |
7月29日(火) | 第1回 無人航空機国際標準化 国内委員会 |
9月予定 | 第1回 ISO 23665 無人航空機教育規格作成国内委員会 |
10月予定 | 第1回 無人航空機シミュレーター教育規格作成委員会 第2回 無人航空機国際標準化 政府関係者説明会 |
11月予定 | 第2回 無人航空機国際標準化 国内委員会 |
11月17日(月)~21日(金) | ISO/TC 20/SC 16 東京総会(日本) |
日本のドローン産業が
世界の中で競争力を持ち続けるために
JUIDAがリードした主要企画
規格
発行
内容
詳細
ISO 23665:2021
2021年
Unmanned aircraft systems — Training for personnel involved in UAS operations
→ 無人航空機システム — UAS運用に関与する要員向け訓練
日本提案が初発行されたドローン国際規格
JUIDAが提案・プロジェクトリードして主導。
発行まで約2.5年。
ISO 23665:2023
2023年
Unmanned aircraft systems — Training for personnel involved in UAS operations (Second edition)
→ 無人航空機システム — UAS運用に関与する要員向け訓練(第2版)
最新の教育・運用の知見を反映。
ISO/TR 23250
(WD段階)
2024年
Survey for operational procedure for Airspace Conflict Management
→ 衝突回避の運用手順に関する調査報告(技術報告書)
ISO/WD 25858
2024年提案
採択-進行中
Flight training using simulators (under development)
→ フライト訓練(シミュレータ活用)(進行中)
シミュレータを活用した訓練標準の規格化を準備中。
番号は既に付与されている段階。
進行中JUIDAが国内審議でリード
ISO/PWI
(番号未定)
2024年提案
採択-開始
Advanced Air Mobility (AAM)
→ 先進的空飛ぶモビリティ(AAM)(新規提案)
新規提案
規格 | 発行 | 内容 | 詳細 |
---|---|---|---|
ISO 23665:2021 | 2021年 | Unmanned aircraft systems — Training for personnel involved in UAS operations → 無人航空機システム — UAS運用に関与する要員向け訓練 |
日本提案が初発行されたドローン国際規格 JUIDAが提案・プロジェクトリードして主導。 発行まで約2.5年。 |
ISO 23665:2023 | 2023年 | Unmanned aircraft systems — Training for personnel involved in UAS operations (Second edition) → 無人航空機システム — UAS運用に関与する要員向け訓練(第2版) |
最新の教育・運用の知見を反映。 |
ISO/TR 23250 (WD段階) |
2024年 | Survey for operational procedure for Airspace Conflict Management → 衝突回避の運用手順に関する調査報告(技術報告書) |
|
ISO/WD 25858 | 2024年提案 採択-進行中 |
Flight training using simulators (under development) → フライト訓練(シミュレータ活用)(進行中) |
シミュレータを活用した訓練標準の規格化を準備中。 番号は既に付与されている段階。 進行中JUIDAが国内審議でリード |
ISO/PWI (番号未定) |
2024年提案 採択-開始 |
Advanced Air Mobility (AAM) → 先進的空飛ぶモビリティ(AAM)(新規提案) |
新規提案 |
ISO23665とは
ISO23665とは、無人航空機の運用に今後関与する人員の教育・訓練の手順を記述し、候補者に教育・訓練を提供する団体となる訓練組織の運用手順を定義するものである。
ISO23665の全体像
- 2021年1月26日発行
- 2023年9月8日にドローンの低リスク運用を
対象としたカリキュラムを規定した第2版発行
- 日本が主体的に検討を行い発行に至ったISO規格
- ドローン教育に係る唯一のISO規格
- 教育団体を認証するためのISO規格
ISO23665のコンテンツ概要
区分
章タイトル
サマリー
訓練組織
訓練組織
訓練組織内の人員配置、受講者への提供情報等を規定
教育・訓練の活動資源
教材及び講師に要求される事項を規定
教育・訓練内容の提供
教育内容の提供方法と定期的な評価を規定
最終評価
研修機関が発行する証明書に含めるべき事項を規定
評価プロトコル
受講者が資格に値する能力を有している事を証明するための手順を規定
教育内容
(Annex A)
能力
カリキュラム修了者に対して担保する能力を規定
遠隔機長としての適性
遠隔機長の能力に係る事項を規定
理論知識
カリキュラム内で習得すべき理論知識を規定
実技
受講者が習得すべきUASの操縦技能を規定
最終評価
受講者がカリキュラムで習得した技能を講師に実証することを規定
ISO23665とは、無人航空機の運用に今後関与する人員の教育・訓練の手順を記述し、候補者に教育・訓練を提供する団体となる訓練組織の運用手順を定義するものである。
ISO23665の全体像
- 2021年1月26日発行
- 2023年9月8日にドローンの低リスク運用を
対象としたカリキュラムを規定した第2版発行
- 日本が主体的に検討を行い発行に至ったISO規格
- ドローン教育に係る唯一のISO規格
- 教育団体を認証するためのISO規格

- 2021年1月26日発行
- 2023年9月8日にドローンの低リスク運用を
対象としたカリキュラムを規定した第2版発行 - 日本が主体的に検討を行い発行に至ったISO規格
- ドローン教育に係る唯一のISO規格
- 教育団体を認証するためのISO規格

ISO23665のコンテンツ概要
区分 | 章タイトル | サマリー |
---|---|---|
訓練組織 | 訓練組織 | 訓練組織内の人員配置、受講者への提供情報等を規定 |
教育・訓練の活動資源 | 教材及び講師に要求される事項を規定 | |
教育・訓練内容の提供 | 教育内容の提供方法と定期的な評価を規定 | |
最終評価 | 研修機関が発行する証明書に含めるべき事項を規定 | |
評価プロトコル | 受講者が資格に値する能力を有している事を証明するための手順を規定 | |
教育内容 (Annex A) |
能力 | カリキュラム修了者に対して担保する能力を規定 |
遠隔機長としての適性 | 遠隔機長の能力に係る事項を規定 | |
理論知識 | カリキュラム内で習得すべき理論知識を規定 | |
実技 | 受講者が習得すべきUASの操縦技能を規定 | |
最終評価 | 受講者がカリキュラムで習得した技能を講師に実証することを規定 |