フィリピンから日本へ:JUIDAとCIT-Uが拓くドローン教育の新たな地平
2025年6月初旬、東京で開催されたJapan Drone 2025を契機に、MOUパートナーでもあるフィリピン・セブに拠点を置く名門、セブ工科大学(CIT-U)とJUIDAは、フィリピン初のJUIDA認定スクール開設に向けた画期的な提携を開始しました。
セブ工科大学の精鋭たちが日本のドローン技術を体感
この記念すべきプロジェクトを牽引するのは、CIT-Uで教鞭を執る3名の精鋭たちです。
- Engr. Felrem G. Lor氏(土木工学科長、通称ロアさん)
- Engr. Jefrancis M. Concepcion氏(電子工学科教員、通称ジェフさん)
- Engr. Ephrem Joseph A. Catane氏(AI FABLAB研究開発施設の運営責任者、通称EJさん)
彼らはJapan Drone 2025に弊会後、日本のドローン産業の「今」を肌で感じるべく、精力的に関東各所を視察しました。埼玉県ふじみ野市のEAMS Robotics社R&Dセンター、板橋ドローンフィールドにも開発拠点を置くBlue innovation社、そしてJUIDA本部をはじめとするドローン関連施設等を巡り、認定スクール運営に不可欠な知見を深く吸収しました。
特に彼らの印象に残ったのは、一般の方々にドローンへの興味を喚起する工夫が凝らされた銀座某所の「ドローンカフェ」でした。ドローンに触れたことのない人々が、どのようにしてその世界に引き込まれるのか、そのノウハウを彼らは熱心に学びました。
各訪問先での彼らの真摯な質問や熱心なメモ取りは、JUIDA関係者のみならず、訪問先の企業や団体からも高い評価を受けました。東南アジアの温かい国から来た彼らならではのユーモアと情熱が溢れる会話は、和やかな雰囲気を作り出し、日本のドローン関係者との強固な絆を築くきっかけとなりました。
北の大地で操縦技能を磨く
続く6月10日から13日までの4日間、3名は遥々北海道へ渡り、フィリピン初のJUIDA認定講師となるために操縦技能と安全運航に関する座学および実習に真剣に取り組みました。講習の拠点となったのは、株式会社mmガード(社長:鈴木和清)が運営する北海道新冠の新冠試験場です。廃校となった元・朝日小学校の校舎を活用したこの試験場では、場長の加藤正行氏に多大なご協力をいただきました。また、試験場をサポートする近所の飛渡氏からは、休憩の度に温かい煮込みやドーナツ、フキなどの差し入れがあり、3名は英気を養いながら集中して講習を受けることができました。より実践に近い実習では新冠町役場や北海道ウルトラライトフライングクラブの多大なるご協力も得られました。
彼らの指導教官を務めたのは、JUIDA認定講師であり、「憧れのドローンパイロット」の一人でもある山崎英樹氏(通称ザキヤマさん)です。山崎講師は、3名が認定講師になるための指導範囲をはるかに超える高難度の実習も行いましたが、3名が元々持つ高い素養と、「フィリピン全土に日本式のドローン指導を普及させたい」という揺るぎない志と覚悟が、次々と難題をクリアする原動力となりました。
未来へ向けた確かな一歩
最終日となった6月13日には、地元の北海道新聞社をはじめとするマスコミも取材に駆けつける中、実技試験と座学試験が行われ、3名は見事に合格を果たしました。
今後は、フィリピン・セブにてリモート形式による英語の講師養成講座を受講していただき、彼らは晴れてフィリピン初のJUIDA認定講師となる予定です。彼らの手により日本式のJUIDA認定ドローンスクールがフィリピン全土に広がることを、JUIDA一同、心より楽しみにしています。彼ら3名が、フィリピンにおけるドローン産業の発展、そして安全なドローン社会の実現に大きく貢献してくれることを確信しています。
■本件に関するお問合せ
JUIDA国際チーム:ohzora@uas-japan.org